JR九州

800系「つばめ」



客室内へと進みます

まずは異なる腰掛の表地の色を持つ3色から。

その1 緑青(ろくしょう)色 □1・4号車□


その2 瑠璃(るり)色 □2・6号車□


その3 古代漆(こだいうるし)色 □3・5号車□


フル規格の路線、車両ながら車内は2+2の非常にゆとりのある腰掛配置。
西陣織の日本に昔からある優しい色彩の伝統色をそれぞれの車両に配し、
最新車両の中に和モダンを感じさせる全景の印象を与えてくれます。


照明は中央通路を真中にして2列の柔らかく包み込むよう。
白い天井から目に優しい光を投げかけ、曲線とストライプのパターンがありそうでなかったデザイン。



その照明に照らし出されているのがこの床面。
通路から腰掛途中までが清潔感漂う升目にドットの入った白。
そして腰掛途中から窓側にかけては濃い黒目の色彩。外光との調和をこれで必要以上に明るくなり過ぎず保ちます。


窓は700系に似ておりますがやや横長い長方形の窓の形。
そしてなによりその窓には桜材のロールブラインドを採用しました。
これによりトンネルの多い九州新幹線で車内の反射光を和らげる、見た目にも風流なロールブラインドを装備。
ブラインドの途中の織り方の変化が判るでしょうか?自然の色、光が感じられよう工夫されているのがよく判ります。


明るい内の乗車だとほら、よく判りますよね。

 

そしてその窓の上部にあるのは空調の噴出し口です。


席番表示はご覧の通り最初から大きな文字で。


妻部の様子です。大きな特徴はその妻壁が九州特産のクスノキ製でできていること。
クスノキの木目が明るい車内に優しい表情を持たせているばかりか、殺菌・殺虫効果もあるとのこと。


また妻部には腰掛に背面テーブルはないものの、緩やかな曲線が美しいテーブルが備え付けられています。


そして今や標準となりつつある隅用テーブルの下にあるPC用のコンセント。
実際に差し込む際には半回転させながらコンセントに差し込むようにします。ちなみに右下は業務用です。


デッキへと繋がる扉はそのクスノキの表情とはウラハラに意外とシンプルなもの。


頭上にはごちゃごちゃしていなくて好感が持てるLED式の電光表示器。
ここにも号車表示と『TSUBAME』の愛称表示、そして九州では標準の会社名がさらっと書かれています。


ここにも号車表示。


こちらは先頭車の妻部の様子。先端のロングノーズを採用した影響か、運転台方向には先頭車には出入口はありません。
通路真中にある小さなな扉は業務員用の出入扉となっております。もちろんここでもクスノキですね。


こちらがその扉。ただ扉もスクノキのため誤ってこちらから出ようとする乗客も居ました。


こちらは先頭車の隅用テーブル。


その隅用テーブルの下に実は消火器がありました。さりげなくそしてデザインと一体となった感じは秀逸です。



さて腰掛です。

瑠璃(るり)色の腰掛から。


こちらは柿渋色の木を使用した腰掛。
テーブルはインアーム式でこれはテーブルを展開した状態です。


中ヒジ掛の中はこんな風にインアームテーブルが収納されています。
実際にテーブルを取り出す際にはスクリューで取り付けられたヒモを引っ張り上げて出します。

緑青(ろくしょう)色の腰掛。


とにかく惚れるような素晴らしい木の照り具合と曲面の美しさ。

今度は桜色の木。

古代漆(こだいうるし)の腰掛。


楠色(くすいろ)の木はとても華がある木。


背面テーブルはないものの背面には小物が備わっています。
まずは背ズリの中央に集まってある帽子・上着掛。これは便利ですよね。


下に目をやるとソフトレザーで作られた小物入れ。容量もたっぷりですが缶類などはいれて置くわけにはいかないかな。


側ヒジ掛だって背ズリに負けず劣らず素晴らしいラインを描いています。
見事に成形されたその形は車両という公共のスペースに使うのに惜しいくらいのデザイン性。


上部の木のぬくもりとは別に脚台は実にシンプルに機能的に。
丸パイプで作られたフレームは必要最低限ですが、
通路側には波状のカバーがつくあたりが800系の腰掛らしいですね。


最後に1人掛腰掛です。身障者対応のこの腰掛は1・6号車に2脚づつ設置されています。
腰掛仕様は他の一般の2人掛腰掛に同じですが、下部にベルトが目立たぬようにありますよ。


座り心地ですがやや反発性のあるクッションが柔らかく体を包み込む気持ちのいい座り心地。
また西陣織の表皮の肌触り、感触も気持ちのいいものです。
ただやや体が前に出た想定外のリクライニング状態では疲れやすいのできちんと座りたいものです。



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